台風が過ぎ去った後の午後の空は何処までも高く、いくら手を伸ばしても空には届かないのだ、という当たり前のことをつくづくと思い知らされ、すっきりとやけに気持ちがいい。
どこまでがビルやクルマから吐き出されたガスなのか雲なのか、つまりどこまでが空なのかそうでないのか曖昧でダルな気体の塊が頭の上に乗っかっているのを見るのは正直嬉しいもんじゃない。
今頃、あちこちの海ではちょっと粋がったサーファー達が競い合って波に乗っているのだろうな。誰よりも早く台風明けの海に漕ぎ出すのはどんな気分なのだろう。
湿気を孕んだ空気も風とともに去り、俄かに夏の名残りを搾り出すような暑い午後の空が広がった。
雨雲が去った後の空は秋の雲を抱いて、数日前よりも確実に高く伸びている。
少し空の先が透けて見えた気がした。
明日から、九月。
2004.08.30 (Mon) 颱風
台風の夜、夜道に激しく電線が揺れているのを見るのはなかなか怖いものがある。
日本各地で水の被害が起きているが、自然の美しさとともにある環境は、同時に自然の恐怖とも一緒に暮らす環境でもあるのだな、と痛感。
しかし、利便性と引き換えに天気が良くても悪くても、熱くても寒くても、「別に」って希薄な感性になってしまう都市の生活よりはまだマシなのかもしれないな。
ところで、台風といえば、やっぱり『颱風』なのだが、これは「はっぴいえんど」の楽曲のタイトル。僕が初めて聞いた「はっぴいえんど」の曲で、たしか小学生の時、NHK FMのサウンドストリートって番組だった気がする。なんだか分からないけどとんでもない音楽を聴いているのだ、という胸騒ぎだけがして、まだよく知らない大人な世界に足を突っ込んでみた直感に時めいたことを覚えている。
そう、颱風の季節はやっぱり胸騒ぎの季節なのだ。
2004.08.29 (Sun) Under The Moonshine (part2)
Under The Moonshine [part.2]
ジャック・ジョンソンとドノヴァン・フランケンレイター。
この夏、日本を旅した2人が僕達に残した「旅の軌跡」。
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DONAVON FRANKENREITER (part2) 2004.08.05.TOKYO
W:今は機械を通してコミュニケートすることには便利な時代だけど、逆に言えばそんなプリミティブな快楽を失いつつある時代だとも言える。
D:確かにその通りだよ。今最も難しいのは、自分が愛している人に、それを真っ直ぐに表現することだと思う。男でも女でも、沢山の人が表現できずに苦しんでいる。でも人生はアンハッピーに過ごすには短すぎる。だから僕の音楽を聴いて一瞬でもいいから外に座って波の音を聞いたり木々を眺めてみるとか、そんな風に思ってくれたら嬉しいな。どんなに小さな事だとしてもきっと人生が変わると思うんだ。
5分でいいから深呼吸して、自分が何をしたいか、誰に何を言いたいかを考えたらいいと思う。言いたい事を胸のなかに抑えて暮らしているのって、心の中を侵食してしまうと思うんだ。
W:だから僕はメローでスウィートな君の歌の中にタフネスを感じるんだろうな。タフに生きていくにはどうすればいいんだろう。
D:それは、自分自身に自信を持つことだと思っている。自分で自分を愛して、自分自身を楽しむことだよ。過信するとか威張るという意味ではなくて、自分自身であることを心地よく感じるということだと思う。
W:君が旅から得た価値って何なのだろう。
D:15歳のときにインドネシアに初めてサーフトリップをしたんだ。それから、オーストラリア、ハワイ、サウスアメリカ、サウスアフリカ、アイスランドにも行ったよ。サーフィンは僕を世界中のクレイジーな場所に導いてくれる。そこで知らない人々と接することがとても好きだよ。これはプライスレスな経験だね。でも僕はこうして旅をしていることを幸運だと思っている。
旅をするにはお金もかかるし、このインタヴューを読んでいる人は「なんだよ、こいつ!そんな簡単に旅に行けるわけないだろう。」って思うかもしれない。
でも、自分の国のなかでも十分旅はできるよね。東京に住んでいる人が福島に行ったり、鎌倉の竹林に行ったりとかね。だから遠くに行く必要なんてなくて、毎日仕事に行く道、右に行くところを左に曲がってみたり、ちょっと回り道をしてみることが大切だと思うんだ。
© 2004 Washio Kazuhiko
2004.08.28 (Sat) 唄者
夏休み最後の土曜日は、台風16号が近づいているために昼過ぎからずっと雨が降り続いていた。それでもずっと楽しみに待っていた大島保克さんのライブを観るために葉山・一色海岸のBLUEMOONまでクルマを飛ばした。 大島保克さんという唄者(うたじゃ)を知ったのは2年前、それ以来彼の『島時間』というアルバムは年中うちの家のヘビーローテーションであり続けている。そして、ようやくその歌を生で聴く機会に巡りあえた。
1曲目、彼の声が小さな海の家に響いた瞬間、それはまるで一筋の風が僕の身体の中を吹き抜けたようだった。全身がゾクゾクとした。そして僕はいつもより荒れた波が打ち寄せる音を背後に聞きながら、たっぷり2時間もの間、彼の素晴らしい声と三弦に酔いしれた。本当に素晴らしいライブだった。
今日のライブは、前半は沖縄の各地方で生まれた島唄、後半は大島さんのオリジナルの楽曲という2部構成だった。その中で、大島さんは八重山を代表する民謡『高那節』を唄ったのだが、この曲、既に今から100年前には廃村となった西表島の「高那村」で生まれたという曲で、今でも半分以上歌詞の意味が解明されておらず、口承によって200年もの間歌い継がれて来たそうだ。 そしてその曲を今日、この葉山の海岸で聞いているということに、僕は何かこれまでの他のライブでは体験したことのない心の高揚を感じていた。
大島さんはそんな何百年もの長い時間の流れの中で唄者としての自分の存在を見つめながら唄い続けている。そして永遠の時間の流れの中の「この日、この場所」を、僕らは大島さんという存在を媒介として共有しているのだ。それはまるで自分の身体をそっと大きな時間の波に預けてしまうような心地良さを伴う不思議な体験だった。
今日の十三夜の月はどんよりした雨雲の背後に隠れてしまっていた。
来年、またこの同じ場所で大島さんの唄を聴くことをずっと楽しみに待っていたいと思う。
2004.08.27 (Fri) The Beautiful Girls
昨夜SuperDelaxで行われたThe Beautiful Girlsのライブの撮影をしてきた。このバンドはオーストラリアのサーファー達が結成している3ピースのバンド。僕も数ヶ月前にインディーズ版のCDを視聴していて少し気になってはいた存在だった。日本ではついつい「Jack、Donavonに次ぐ~」というキャッチコピーがついて回っているようだけど、先の2人がそうであるように本人達はマイペースで活動を続けてきたんだろうなと思うリラックスした演奏で、CDで聴くよりも楽しかった。アコースティックや緩いレゲエのリズムだけに留まらず、何気にゴリっとしたハードなリフが飛び出す一面もあり、この辺は豪州産だなあと思ってしまいました。でも男っぽくってかっこよかったです。
昨日は前座として2バンド出ていたんだけど、そのうちの1バンド、「Caravan」ってアーティストがすごく気に入った。ポジティブ・ヴァイブレーション出まくり。バンドの面子もいい顔して演奏してたし。彼らのポートレート撮影したいなあ。 『CAMP』って曲、良かったです。旅に出たくなりました。
2004.08.25 (Wed) Under The Moonshine (part1)
Under The Moonshine [part.1]
ジャック・ジョンソンとドノヴァン・フランケンレイター。この夏、日本を旅した2人が残した「旅の軌跡」。
連日のように乾ききった東京では夕暮れを迎えても逃げ場を失った熱波が僕の周りを漂っている。ベイサイドに競い合い乱立している高層ビル群の影響だとニュースキャスターがしゃべっていた気がするけれど、なんだか手が届かない遠くの場所のことのように思える。
フジ・ロック・フェスティバル、その後、鎌倉・材木座海岸でのサプライズド・ライブをはさんで、短いジャパンツアーを行ったジャックとドノヴァン。長年の友人同士である彼らは、今年からジャックが主催するBrushfire Recordsに所属するアーティスト同士としてこれまで以上に活動をともにしている。
クールダウンの暇すらないこの夏のように、いやそんな夏だからこそ、アコースティックギターを手に旅を続けていく彼らを僕は追い続ける。それは高速度でスクラップ&ビルドを続けている都市のスピードを少しでもこの手でモデレートしたいと願う僕達の意思が呼び寄せている静かなTIDE(潮)かもしれない。
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DONAVON FRANKENREITER 2004.08.05.TOKYO
W:昨年のライブと今年のフジロックでは表現スタイルが変わったようだね。
D:昨年はまだ新人で唄い始めたばかりだったし、自分の歌を模索している状態だった。あの後アメリカに戻って、Brushfire Recordsと契約して、ジャックやマリオと一緒にアルバムを作り、一緒に演奏を楽しめる仲間に出会った。ようやく自分が行きたかった場所に辿りつくことが出来たって気がしてるよ。
W:去年よりもレイドバックしてるよね。
D:ジャックと一緒にアルバムを録音してから、スローダウンして余裕を持つことを学んだと思うんだ。今はピアノやベースプレイヤーがいて、皆で一緒に空間を満たしていくことが出来る。だからもっと緩やかなグルーブを奏でることが出来るんだと思う。
W:君は、いつも誰かとの関係やその親密さについて唄っている。
D:僕はそのことをいつも大切に思っている。でもそれは決して限定的な関係じゃないんだ。皆には僕の曲を聞いたときに、自分自身で解釈して自分の曲にして欲しいと思っている。僕の曲は友達や家族と楽しい時間を過ごしたい人々のためにあるし、皆がハードな時間を送っている時にこそ聞いて欲しいんだ。
W:そして君の歌は今この場所・この時間を誰かとシェアすることへのポジティブさに満ちている。
D:ポジティブであること。今のこの瞬間を楽しむこと。まさにそれが僕のスタンスなんだと思う。ゴールや未来のことを考えすぎたり、悩んだりするのは好きじゃない。今この瞬間をどうポジティブに楽しめるか、それが一番重要だと思う。これが僕の正直でリアルな気持ちだよ。
W:それは歌を唄いだしてから強く思うようになったのかな。
D:たくさんサーフィンをして、たくさん旅をすることで気が付いたんだと思う。
世界の色々な所でいつも様々なことが起きている。例えそれがあるローカルな場所の出来事であったとしても、それは僕にとってグローバルなメッセージになる。皆色々な音楽を聞いているけど、結局のところ音楽から受け取るメッセージは世界中で同じなんだ。音楽は皆をひとつにしてくれる。
サーフィンは確かにその気持ちをえてくれたけど、表現することは出来ない。サーフィンをする時は一人だからね。僕は音楽によって僕は初めてそんな気持ちを表現し皆とシェアできることを学んだんだ。音楽は本当にスペシャルなものだと思う。まさに「今この瞬間」をシェアすることが出来るんだ。旅をすればするほど、そのことが判ってくるよ。特に日本では本当にそのことを感じるよ。
W:日本人は誰かとシェアするという気持ちを確かに持っている気がするよ。
D:聴衆が静かでもエネルギーを感じられるし、皆が僕を見つめていて、皆が僕の音楽の一部になるような感じがするんだ。不思議な感じだよ。でも、アメリカでは滅多にそんなことはない。日本の文化は皆がお互いをレスペクトしているというところが素晴らしい。それは他の多くの国が学ぶべきことだと思うね。 (To be continued......)
© 2004 Washio Kazuhiko
2004.08.24 (Tue) 五月革命
先週土曜日に新宿のこどじでお会いした下河邉元春さんの写真展『あの日あの時 France 1968-71』を銀座のコダックフォトサロンまで見に行く。
パリの1968年といえば、いわゆる「五月革命」。
学生や労働階級による第五共和制を樹立したド・ゴール政権への反体制運動が起こり、
カルチェラタン占拠、大規模な暴動やゼネストが相次ぎ、ついにはド・ゴール大統領を退陣させたあの革命の時にあたる。
当時通信社の記者としてパリに滞在されていた下河邉さんは、記者として政治的危機にあるフランスをルポしながら、仕事の合間に写真を撮影されていたそうで、今回の展示も当時の革命の時代を映すというより、むしろそのような状況の中で日々を生きる人々の姿を淡々と写し取っていた写真でであった。
ちょうど偶然にもちょうど現在公開されている、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『THE DREAMERS』という映画が、当時の時代を舞台にしている。
どんな内容かなと思ってオフィシャルサイトを覗いてみると意外にも「青春ドラマ」とあった。
ちょうどこの時代にパリでヌーベルヴァーグの影響を思いっきり受けて映画青年になったベルトリッチ監督の自伝的な要素もあるらしく、音楽もジミ・ヘンドリックスやドアーズやジャニスまでが使われているそうだ。
こういう偶然も何かの縁。早速観にいってこようと思う。
※↑は五月革命の時に当時の美術学校でつくられたプロパガンダ・ポスターのうちの1枚。美術学校を占拠したアーティスト達によって1日に何千枚ものポスターが制作されたそうだ。
制作の場は「民衆工房」と呼ばれた。ちなみにこのポスター、最近新作を出したばかりのRADIO4がジャケットで借用している。このバンドの新譜も早く聴きたいです。
2004.08.23 (Mon) インドと沖縄
椎名誠さんの著書『インドでわしも考えた』を読む。
極めて現場主義の椎名さんのスタンスに深く納得。文章も面白かった。
自分の眼で見て考えるというシンプルなことだけど、それって僕はどこまで貫いているのか、その問いを突きつけられた気がして身が引き締まった。
夜、ニュース23で、終戦記念日に沖縄全土でゴミひろいを呼び掛けたCoccoさんのドキュメントを見る。1万人以上が彼女の歌と呼びかけに応えた事実、それが個人から行政まで巻き込んで実現したことに正直感動した。彼女が終戦記念日をその日に選んだのは、平和への意識が高まる日に自分の足元で出来ることを考える、という理由からだそうだ。見えない誰かのためではなく、自分と自分に近い場所を見つめていくというスタンスを僕も続けていきたいと思った。
2004.08.22 (Sun) 『日本漫画映画の全貌』
東京都現代美術館で開催中の『日本漫画映画の全貌』を見に行く。
実はこの会場内で上映している『白蛇伝』という古い映画を見ることが目的だったのだ。
この作品「東洋初の総天然色長編漫画映画」だそうで、制作されたのは1958年、確かに古いといえば古いのだけど、とっても面白かった。しっかり手をかけたものは古くはならないんだなあということを実感。
展覧会場に設置された当時の制作風景や撮影機材の再現も面白かった。
古い撮影機材なんかを見ると、モノづくりに携わる人の執念や情念のようなものがより伝わってくるのも確か。きっと現在であろうと過去であろうと、またアニメであろうとなかろうと、こうした仕事に生きている人たちにはいつの時代も共通しているのだろうと思うのだけど。
なかなか楽しめる展覧会だったので、お薦めします。
※展覧会会場内に置かれていたルパン3世のフィアット。車内はシケモクや野外調理用のフライパン、ワイン、即席麺。
2004.08.20 (Fri) 銀河鉄道ビール
今日は、「三軒茶屋エクスペリエンス」主催者・中根大輔が運営しているボックスギャラリー「世田谷233」を訪ね、9月からの写真展示に向けて展示スペースのサイズを測ったり、奴がジャケ買いしたというインディーズバンドのCDを聞いたり、浅草で買ってきたという「おこし」を喰ったりしていた。
メジャーを手に展示スペースを測りながら、「どうする?」のナカネ氏の言葉に、「やっぱり現場が重要だからな。そこから考えないとだめなんだよ」と答えつつ、実はまだ展示プランは全くの白紙なのだあった。
ということで三軒茶屋のコンビニで見つけた、「銀河鉄道ビール」を買って、「お疲れ、お疲れ」と乾杯!
PS
今日、地下鉄新橋駅で、「メトロミニッツ」が配布されていた。僕が撮った写真とジャックとドノヴァンへのインタヴュー記事。「何故、月灯りなのか?」については、ジャックのWebサイトに飛んで考えてみてください。それにしても、気持ちのいい男達でした。
2004.08.19 (Thu) 北島康介くん
「2冠達成、おめでとう!」
と、朝一番に仕事場の同僚からメールが届く。
はて、なんのことやら? 少し考えてみたが思いあたることがない。
「2冠、って何のこと?」と返事送ると、すぐに
「北島クンのことですよ。」と直ぐに返事が返ってきた。
ここんところは、やっぱりオリンピック!なのだが、
盆休みと重なったオリンピック開幕直後から、休み明けの人と会うたびに、
「おお!鷲尾のこと思い出してたよ」という人がやたらと多く、
わけを聞くとそれが結局この「北島クン」が原因なのだ。
なんてことはない、あの世界トップのアスリート、水泳選手の
北島康介クンと僕がよく似ているという話で、みんなテレビのオリンピック中継
を見るたびに、「おお!似とるなあ」と思っていたそうだ。
ある先輩なんか、
「いや~、鷲尾にそっくりだよ。顔もそうだけど、あのインタヴューな!
しゃべり方が生意気なところとかさ。それに金メダルとった試合、水から上がったときの
目を引ん剥いたところも似てたなあ。水を手で拭わないで、ばーっと頭振って水切ってた
だろ?あ~いうのも似てんだよなあ、なんだか。」
と、まあ丁寧にそんなところまで見ていて下さってありがとうございます、という感じの
オコトバを頂いたりして。
確かに、彼が登場してきた時からなんとなく自分でも「こいつ同類」と思ってはいたが、
周りからはあまり指摘はされなかった。
やはりオリンピック効果というのは凄いもんだなあ、と納得したのだった。
2004.08.17 (Tue) 無題
夢うつつの中で、オールカラーの映像がどんどん目の前に激しく飛び出してくるので全く寝付けない。何度も寝返りを打って起きては見るが、目を閉じると起きていたときよりもチカチカと脈略のない映像がまぶたの裏で展開していくので、またはっとして目を覚ましてしまう。
そんな風にして今朝はまるで疲れて起き出したのだが、これはよく考えると寝る直前まで仕事でインターネットを使い続けていたからなんだ、と寝ぼけ半分で朝飯を食べながら、はたと思いついた。
眠りながら、頭の中で猛スピードでネットサーフィンし続けていたわけだ。
それにしてもこういうときの人間の頭の中は、もうブレーキが壊れたクルマのようにどこまでも走り続けていってしまう。
いかんな。こういうのは。
それにしても、出てくる映像が結局どぎつく不快であったのは、やはりネットで見ているものがそういうもんだということなのか?
猛スピードで映像が切り替わるのも、デジタルデータの即消去性を無意識に反映されているからなのか??
乗り物酔いしたような寝起きの悪さに、今日は一日グロッキー。
2004.08.15 (Sun) 椎名誠 『定本・岳物語』
急に思い出したかのように降り出した大雨の音で目が覚めた。
久しぶりの雨の音を聞きながら、日曜日は家でのんびりと本を読んで過ごした。
椎名誠さんの『定本・岳物語』。
先日探して買った古本で、知ってはいたが、何故か今までは読んだことがなかった本であった。この本を雨空の薄暗い室内の中でベッドに横になったまま一気に読み終えた。
日曜日の雨の午後というのは、なんともいえず気持ちが落ち着いて好きな時間だ。
外に出掛けることも考えず、静かな時間の中で本を読みながら過ごす時間。
静かに時間がそっと積み重なっていくように過ぎていく感覚。
『定本・岳物語』はそんな時間を過ごすのにはなかなか良い本で、椎名さんと息子さんの日々の暮らしの様子や、釣りや旅の風景に、僕はなんだか和んだり、緩やかに心が高揚したり、していた。
雨上がってもまだなんだかひんやりと涼しい夕方、近くの古本屋で読み終えた雑誌を処分し、ついでに椎名さんの『喰寝呑泄(くうねるのむだす)』を見つけて購入。
しばらくはのんびりとこの人の旅に便乗してみたい気分です。
2004.08.13 (Fri) 三軒茶屋エクスペリエンス
三軒茶屋エクスペリエンスというイベントに参加することになったのだが、これは世田谷線沿いのボックスギャラリー「世田谷233」を主催する友人中根“ちーなか”大輔が、これまた世田谷線沿いに暮らすアーティスト仲間達と一緒に企てているアートフェスティバルなのだ。
この中根大輔、大胆にも有名金融関連企業をある日突然退社し、「おれは個人の表現をサポートする仕事を始める!」と、どこで知ったのか、これまたある日突然ボックスギャラリーという不思議な形態のギャラリーを始めてしまった。
(もちろん、ここではその辺の事情をすっとばしてシンプルに書いているので、当の本人は相当に色々と考え判断し決断し実行したはずであり、そのことを僕から何かいう必要もない。)
この「世田谷233」という場所で何が起きているのか、それはそもそもどんな場所なのか、ということは直接リンクで飛んでもらってみてもらうとして、この中根という男は短い時間でこの場所を学生から主婦、アーティスト等など数多の個人の創作・表現の発信の場として定着させてしまった。そしてこの場所に行き交う人たちとのとてもパーソナルで確かな繋がりの先に、自分が住む三軒茶屋、そして世田谷線沿線を中心として世田谷区のレベルにまでその親しい仲間達の輪を本当に一人で作り上げてしまった。
そして、ついには世田谷の町でアートフェスティバルまで実現してしまうまでに至ったわけだ。 これは本当に凄い、何が凄いかというと、本当に全てひとりひとりの表現したい気持ちに向き合って、出会いを少しずつ少しずつ重ねていったことと、自分の住む町をもっと楽しい場所にしていきたいというあまりにもピュアな思い以外に打算や余分なものが一切ないからだ。
僕は本当にこの男の企てを凄いと思っているし、この日記を偶然にも目にした人たちに「世田谷233」のような場所や「三軒茶屋エクスペリエンス」というイベントのことを知ってもらいたいと思っている。
『HEAD TO THE SKY』という写真展のタイトルは、中根大輔が付けてくれた。2人のコラボレーションだ。ボックスギャラリーらしさを活かした展示を行いたいと思っている。
ぜひ遊びに来てください。
2004.08.10 (Tue) 環境
「ハワイではまだまだリサイクルの問題が山積みなんだ。日本のフジロックは本当に世界一クリーンなイベントだと思う。アメリカじゃ考えられないよね。Kokuaのイベントは少しでもそんな問題を地元の人たちと考え解決していくためのステップなんだ」
ジャックはそう語っていた。
Jackが主催するKokuaFestivalが来年の開催されるそうだ。今年の第1回目はいけなかったので、次回は絶対に行きたいと思っています。
それにしても、本当にフジロックにおけるA Seed Japanの活動は本当に素晴らしいと思う。
Jackたち海外からのアーティストがそんな印象を持って帰ってくれることを嬉しく思う反面、しかしその片方では湘南のビーチなどごく近くでは以前信じがたいようなゴミの問題もいぜん残っているわけで。少なくとも自分のまわり、普段の生活では意識を高くもって暮らしていければと思っているし、今回のJackとの再会を単なる会話に終わらせず、引き続きシェアできることを探していければ、と思っています。
2004.08.08 (Sun) サーファーズ
木曜日にDonavon、金曜日に渋谷AXでJack Johnsonのインタヴュー&ポートレート撮影を行った。
Donavonには去年の朝霧Jamのステージ写真と息子さんに小さな地球儀を、Jackには先週のフジロックで偶然にお会いした彼のご両親と妻のKimさん、そして生まれたばかりの息子のMoeちゃんの写真と甚平を「Traditional Japanese Summer Wearだよ」といってプレゼントした。
家族の話になるとこの2人の逞しい男達も笑顔でいっぱいになる。
僕も雑誌の取材というよりも、隣町の友人に再会するような気分になった。
このインタヴューは、今月20日に配布される『メトロミニッツ』で掲載される予定。インタヴューの内容はこのWeb上でもシェアできたらと思っています。
2004.08.04 (Wed) Fuji Rock Festival 04
結局、フジロック、行ってきました。
きっと書き出すと止まらないので、改めて感想は近いうちにまとめるとして。
何が良かったって、やっぱりThe Roosters。The White Stripes。そしてハナレグミかな。
勿論PJ HarveyもLouReedも清志郎さんもBenHarperもJackもDonavonも
Jetも22-20'sもCharlatansも、他にも素晴らしいライブはあったけれど、この3つだけは特別でした。
特にThe Roosters。良かったなあ。本当にいいライブを見せてもらって嬉しかった。なんだか音楽以上のものを見せて貰ったし与えてもらった気がします。感謝しています。
Roostersを見れただけでも今回行ってよかったと思いました。
そのうち、Fujirockで撮った写真もUPしてみますね。