千早さんのポートレートを日本橋の高島屋の屋上で撮影する。彼女の傍らに咲いていた植え込みの花。暖かくて春のような一日。
ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」をレイトショーで見る。女の子達には堪らない映画なんだと思う。例え何回見てもきっと一番肝心のところは男には最後まで分からないんだろうな。でもとてもいい作品。見ているときよりも、後で自宅に帰ってきてから、そして翌日、と日を追うごとに印象が深まっていく。
ポール・サイモン『SOUNGBOOK』。
「Kathy's Song」と「The Sound Of Silence」。勿論S&Gもいいけど、このアルバムで聴くのがやっぱりいい。横須賀線の中で何度もリピートして詩を覚えた。この曲の魅力は、きっと女の子にも分かるんだろうな。
(Nihonbashi, 2006.01.27)
2007.01.18 (Thu) 去年の夏
去年の夏、撮影させていただいた益子での展覧会の様子がブックになるとのことで、リビングワールドの西村さんからご連絡を頂いた。既に渡していた仕事としての写真以外に、僕が自分のために撮っていた写真も見たいとのこと。さっそくネガファイルを撮り出して、改めてあの夏の3日間に撮影した写真を見返してみる。
去年の夏はなんだかんだと忙しく、家の近くの海にも行けなかったほどで、夏休みは殆どなかった。
益子へも仕事として出掛けたわけだけど、それでも3日間のことを今思い起こすと、なんだか特別な時間だったなという感覚が残っている。
半年ちかくぶりに見返したネガには、撮影直後には自分自身でも気付かなかった、そんな特別な夏の記憶が写っていた。知らない間に発酵してたみたいだ。改めて、写真って面白いなと思った。
(mashiko, 2006.08.)
2007.01.11 (Thu) 今年の抱負
2006年12月29日、2006年最後の外人宿は超満員だった。
明日の予約が取れないと言っていた何組かの旅行者達はどうしたのだろう。
行き当たりばったりな彼らの能天気さと、旅行者特有の淋しさをほんの少し上回っている明るさとを思い起こし、余計な心配は必要ないなと思う。
まあ無一文というわけじゃないし、きっと何とかなってんだろうな。
2007年もどんな人々に出会えるのかと思うと、あの場所に自然と足が向いてしまう。
1人1人と交わした言葉が記憶に残り、そして1枚1枚、写真がまた増えていく。
12月30日、最後の外人宿の撮影を終えた翌日、池袋近くの住宅地に住むある少女に会いに出掛けた。近くの小さな商店街、彼女が通っている小学校のグラウンドでポートレートを撮影。とても暖かい晴天の空。柔らかな日差しの中で微笑む彼女は最高にチャーミングだった。2006年最後の撮影、そして新しいプロジェクトのはじまり。
それは最高にハッピーな時間になった。
新しい出会い。
また1人1人、そして1枚ずつ、今日の冬の日のような写真が増えていけばいいな。
撮影の後、池袋まで歩いていく途中、古本屋の店先に置かれたジム・ブランデンバーグの『白いオオカミ』という写真集が目に付いた、即購入。
これは僕自身へのいわばお年玉。
その素晴らしい写真と文章を、毎夜寝る前に1ページずつめくっている。
さて。
年が明けてはや10日が過ぎた。
結局昨年中には終らなかった執筆作業も抱えたままの状態。
それでもコツコツとやっていけばいつかはそれも終わりが来るはず。
今年も、そんな感じで、“コツコツ”と、そして丁寧に、やっていきたいなと思っている。
2007.01.01 (Mon) 謹賀新年!