先週、開廊したばかりのARATANIURANOへ。
先週の土曜日のオープニングパーティーに都合がつかなかったために、今日ようやくお伺いすることが出来た。
記念すべき第1回目の展覧会は、加藤泉さんの「人へ」。
時間と空間という二軸のパースペクティブを内包した強い作品。とても濃い情報密度。
先日東京都現代美術館で観たマルレーネ・デュマスが描く肖像も、そして今日観た加藤泉さんの肖像も、ともにとても刺激的だった。
イマジネーション、あるいは加藤さんご本人が言うところの「情報量」。
こうした絵画を目の前にすると、では写真には何が出来るのだろうか、ということを強く問い直さざるを得なくなる。別のアートフォームといえばそうなのだが、それだけではやはり済まないとも思う。何故なら結果的に人の心への刺さり方という点ではフォーム(方法論)は関係ないからだ。
気合、入りました。
2007.07.14 (Sat) 京都
(KYOTO 2007.07.08.)
2007.07.11 (Wed) ジョン・シャーカフスキー氏、逝く。
1962年から1991年までの30年間、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の写真部門の責任者を務めたジョン・シャーカフスキー氏が亡くなったそうだ。享年81歳。
ダイアン・アーバス、ゲイリー・ウィノグランド、リー・フリードランダー、ジョエル・マイヤウィッツ、ウイリアム・エグルストンらの写真家を世に送り出し、あるいはアッジェの存在を掘り起こし....。
僕がここでわざわざ挙げなくてもいいのだけど、彼の仕事のごく一部を挙げてみるだけでも、その仕事がどれくらい今僕らの世代の写真、アートに強烈な影響を与えているのかはとても良く分る。
彼が編集した『Looking at Photographs(1973)』とか『The Photographer's Eye(1964)』を、僕は写真を始めた当初の頃によく読み漁ったし、今でも時々読み返す。
単に新進の写真家を起用した展覧会を企画するだけでなく、その仕事を社会の文脈の中で読み解き位置づけていくという地道で意義深い仕事も精力的に取り組んでいた。
写真は全くの独学でやってきた僕だけど、その意味では彼の仕事や著書は僕にとっての教科書のひとつだったのだなと思う。
ご冥福をお祈りします。