(Flughafen Wien, 2009.09.02.)
2009.09.19 (Sat) 佐伯慎亮 写真展「挨拶」
友人の写真家、佐伯慎亮が初写真集を出版します。あわせて、AKAAKAにて出版記念写真展「挨拶」を開催します。ぜひぜひご覧下さい。
僕も10月7日(水)に、写真展会場で行われるトークイベントに、浅田政志くん、岡田敦くんとともにゲストとして参加します。20時スタートです。
佐伯慎亮 写真展「挨拶」
会場:AKAAKA
〒135-0021 江東区白河2-5-10
TEL: 03-5620-1475
会期:9月19日(土)~10月10日(土) 12:00~20:00
日・月定休
オープニングレセプション:9月19日(土) 18:00~20:00
あふりらんぽ・オニ mini Live :19:00 START
2009.09.12 (Sat) travelogue #22 ~ London(1)
パディントン駅に着いたのは深夜。駅構内のスーパーマーケットで夜食を買い込み、地下鉄に乗り込む。翌朝は朝6時半からホテルの地下にあるスイミングプールで1時間ゆっくりと泳ぐ。日本を発つ前からオーストリア滞在の間までの2週間、泳ぐことが出来なかったので、気持ちも身体もすっきりしないで限界だった。やっと調子を取り戻す。
ロンドンには、いくつかのユニークなエージェンシーやデザイン会社等の取材でやってきた。
いずれも「Ecology」「Sustainability」「Ethical」などの視点で仕事をしている連中ばかりで、かなり面白い話を聞くことが出来た。
特におもしろかったのは、大学で4Dアートを学んでいたという25歳の青年が立ち上げたエージェンシー。
彼らは、リバプールストリート駅近くの、金融街「シティ」とアート・カルチャーセクターとが混じり合うボーダー的な位置にある廃墟ビルを丸ごと借りうけていて、そこでアーティスト、写真家、靴職人から、環境NPO、IT関連の企業など、様々な仕事に携わる人たちと部屋をシェアしながら、「環境」「持続可能性」をテーマとした、ビジネスやコンサルティング、イベントプロデュースなどを手掛けている。
建物の中は廃材等の再利用によるリデザイン。屋上ではハーブやトマトが育てられ、養蜂も行われていた。インタビューの前にまずはそのトマトを食べてみようということでひとつ頂くと、これが驚くほど甘くておいしかった。イタリア人の農家の指導をちゃんと受けて育てているとのこと。
4Dのアートを勉強していたのに、どうして「環境」や「サステイナビリティ」をテーマとしたビジネスプロデュースをやることになったのかという質問に、「4Dというのは、誰も見たことがない新しい世界を創り上げていくということ。それを現実の世界で実現させていくことがやりたかったから。サステイナブルな社会って、これからみんなの力で現実にしていかなければならない新しい社会の姿。でもそれってまだ実現されていないし、若い僕らがやるべき仕事だと思ったから。」と答えてくれた。
彼らもそうだが、今回訪問したいくつかのエージェンシーはいずれもとても若いチームばかり。そして彼らの会社の立ち上げには、いずれも英国政府、ブリティッシュカウンシルの支援があったそうだ。
英国は「クリエイティブ産業」を国の重要な基幹産業と位置付け積極的に奨励してきたが、 「サステイナビリティ」というテーマについても、彼らのような若くて情熱のあるチームを積極的に支援している。先に挙げた25歳の青年プロデューサーも、ロンドンの若き環境リーダーの1人にも選ばれていて、市や国の仕事のサポートも行っているそうだ。実際、とてもクレバーであることはもちろんボールドでもあり、つまりはとても面白い奴だった。
アイデアやクリエイティビティ、新しいヴィジョンに積極的に支援するという発想、いまだにアイデアやクリエイティビティよりも「肩書き」「役職」「履歴」中心に仕事がまわる、わが国とは随分の違いだなと思わざるを得ない。
2009.09.06 (Sun) travelogue #21 ~ Linz(1)
リンツに着いた日は雨。翌日も冷たい雨が降りかなり肌寒い。アルスエレクトロニカフェスティバル2009を観てまわるが、寒さと時差ぼけと日本から持ってきた山積みの宿題に頭が痛く、1日の予定をこなしたらすぐにホテルに戻って寝込んでしまった。それでも夜中に起きだして原稿書き。おまけに日本からはなんだか面倒なメールが何本も届く。日本にいる時にもましてなんだか忙しなさすぎる。時差がある分、昼も夜も2倍仕事をしている気がするのは気のせいか。
それでも今朝はやっと晴天となり、気分もかなり回復。明け方から再び原稿書きを続けて、なんとかカタチになりそうな気配に、ほっと一息。勢い余って予定文字数の倍くらいの長さを一気に書いたために今度は面倒な校正作業が待っているんだけど。ということで、元気を出して今日もフェスの取材へ。
2009.09.03 (Thu) travelogue #20 ~ Wien(1)
ロンドンからウィーンへのトランジットの長い長い待ち時間。
原稿を書きながら、それに飽きると、空港内のブックスタンドで買ってきたオースターの新作を開いてみる。ウィーンに着いたのは深夜。そこからホテルまでもまだまだ長い。夜のスタンド、タクシー待ちのビジネスマンの脇でずっと迎えの誰かを待っている母と子。明日はリンツに向かいます。
2009.09.01 (Tue) 颱風
颱風が来るとどうしてこんなに胸が騒ぐのだろう。生温い空気を掻き混ぜ荒れる颱風が来るのを、いつもどこかで心待ちにしていたような気がする。
ということで、颱風の中、今日はULSAN INTERNATIONAL PHOTOGRAPHY FESTIVALに出展するプリントを赤坂のフォトグラファーズ・ラボラトリーにチェックしに行く。素晴らしいBLACK&WHITEの出来上がり。『極東ホテル』はカラー写真で、いままさに写真集になりつつあるわけだが、こういうBWプリントを見ると、その後はこの十年以上撮りためたまままだ一度も発表していないモノクロームの旅写真をカタチにしてみたいという衝動に駆られる。で、実はもうタイトルも決めていたりするのだけど。
自宅に戻って、発送用の梱包作業。『インディアンサマー』のスライドショーDVDと一緒に、今回のキュレーター、LEEさんにプレゼントとして『極東ホテル』のDVDも入れておく。LEEさん、本当に有り難うございます。心より感謝。
ふきつのる嵐は
瓦にぶつけて
家鳴震動のけたたましく
われらの食慾は頑健にすすみ
ものを喰らひて己が血となす本能の力に迫られ
やがて飽満の恍惚に入れば
われら静かに手を取って
心にかぎりなき喜を叫び
かつ祈る
日常の瑣事にいのちあれ
生活のくまぐまに緻密なる光彩あれ
われらのすべてに溢れこぼるるものあれ
われらつねにみちよ
明日からの欧州行きには、高村光太郎の詩集を持って行くことにした。