東北から逗子の我が家に久しぶりに戻って来たら、郵便受けにある出版社からの封書が届いていた。中身は来年平成24年度の中学生用英語教科書。2007年10月、北海道洞爺湖畔で行ったセヴァン・カリス=スズキへのインタビューの一部が、この教科書の中で使われることになりその掲載誌が届いたのだった。「Earth 」「Share」、そんな言葉をこのテキストの中で中学生たちが学ぶことになるみたいだ。なんというタイミングなのだろう。
とっさに僕の中に昨日宮城県のある避難所で出会った少女の顔が浮かんだ。避難所の中でエレキギターを背負っていたあの少女。たぶん中学生。彼女もこのテキストを手にすることになるんだろうか。
2011.05.08 (Sun) travelogue #54 "After 012"
(2011.05.06. Ohya Beach, Kesennuma, Miyagi)
気仙沼へ。お世話になった大谷海岸へも。
海岸線の地形が変わってしまっていた。波打ち際が防波堤間近まで近づいていた。
海岸で2人の姉妹にあった。このすぐ近くに家があったという。
防波堤に腰掛けて写真を撮りながら少し一緒に話をした。
「もう海は見たくない?」
「家は流されたし、こんなに砂浜は少なくなってしまったけど、やっぱりこの海は好き。嫌いにはならないと思う」
数年前に、この海にきたとき、撮影した写真を彼女たちに送る約束をした。
海が好きでいつも海の写真を撮っていた。
写真を撮っていて良かったと思った。
2011.05.05 (Thu) travelogue #53 "After 011"
今日はこどもの日。早朝、花巻から大槌町に入り、北上して山田町に向かった。山田町では津波の被害を辛うじて逃れた神社でお祭りが行われていた。餅つき、鯉のぼり。絵本をプレゼントするボランティア、そして、浅草と京都から来た人力車。瓦礫になった市街地を子供たちを乗せて走る人力車。僕は一緒になって走って写真を撮りまくった。子供たちのピースサイン。元気をもらった。
(2011.05.05. Yamadamachi, Iwate)
2011.05.04 (Wed) travelogue #52 "After 010"
(2011.05.03. Kuzumaki, Iwate)