鷲尾和彦

風景の見方


 
敬愛するランドスケープデザイナー、田瀬理夫さんがお亡くなりになった。田瀬さんが残してくださったインタビューの音声記録を、いま改めて聞き返している。その肉声に耳を傾けながら、田瀬さんから学んだ「風景の見方」を、あらためて心の中で反芻している。
聞き返すほどに、そのまなざしが、自分の視座の一部になっていることを痛感する。これからも、自分なりの経験を重ねながら、受け取ったものを、自分の中で深めていけたらと思う。
写真は、ご一緒に訪れた遠野の荒川高原牧場。忘れられない、ずっと心惹かれている場所だ。
以前撮影させていただいた肖像写真は、ご友人の皆さんのお取り計らいで、すでにご家族のもとへお渡しいただいたとのこと。
そのようなかたちでお届けできたことを、大変光栄に思う。
 

MONDO

訃報が続き、週末は心が晴れなかった。
トニー・ガトリフの映画に出会っていなければ、きっと写真を撮ることもなかったのかもしれないと思う。
ル・クレジオさんご本人や、バルタバスさんに出会うこともなかっただろう。
フランスの森の奥深くで、移動する人たちと時間を過ごすこともなかった。
ましてや、海の写真集をル・クレジオさんと一緒につくることなど、なかっただろう。
もちろん、これは仮定でしかないし、僕自身が出来事を引き寄せ、意味づけているだけなのかもしれない。
それでも、一つだけ確かに言えるのは、出会えたことは幸運だった、ということだ。
心より哀悼の意を捧げます。