2026.4.25(Sat)
ケン・ローチ監督作『オールド・オーク』
ケン・ローチ監督作『オールド・オーク』鑑賞。初日、最終回は満席だった。
分断するそれぞれの立場をともに受けとりながら、その先に微かな光明を最後まで見出そうとする。そんな「しぶとい」眼差しが忘れられない。
本作を通じて、「パブ」が「パブリックハウス(=みんなの家)」に由来する言葉であることに、あらためて気づかされた。舞台となったのは、2015年から2016年にかけての欧州難民危機の時代(というか刹那)。振り返って、あの当時の自分自身の記憶を思い起こさずにはいられなかった。
映画の中のひとつの光景 ーパブでの写真スライド上映会のシーンは、勝手な予想だが、おそらくこれから何年も後呼び起こされるシーンになるのではないかと思う。この世界がこのまま進むのならば。あれは映画の中で生まれた奇跡のような光景だったと思う。
パブ、音楽、モノクロームの写真、時間。永遠と現在。ある意味、本当に奇跡的な一瞬があの映画の中には残されていた。「写真」を撮る人にはぜひ観てほしいと思った。
2016年、アルスエレクトロニカ・フェスティバル(あの時、会場は仮設難民キャンプ場としても使われた)での写真展。当時、あの町には3万人の難民が束の間滞在した。会場には3万本の花を敷き詰められ、その上に、偶然にこの国ですれ違った難民の人々の肖像を展示した。展示は1週間で終わってしまった。しかし、5年かけて見返し続けた結果、残った写真を1冊の本にすることができた。あらためて本当に幸運だったと痛感している。
