鷲尾和彦

鷲尾和彦 新作写真展『Sense of Place』のご案内

 


 
鷲尾和彦 写真展『Sense of Place』
 
会期:2020年9月29日(火)〜10月11日(日)
   12:00-19:00(最終日16:00まで) 月曜休廊
会場:Roonee 247 fine arts | Room 2

   東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビル4F
   TEL 03-6661-2276 
協力:Yahoo! JAPAN
 
 
“Sense of Place”
 


野原、畦道、雑草のしげみの中、
さまざまな草花が咲き競う光景に、突然出会うことがある。
光と影の中で瞬くその色や、
ほのかに漂う匂いにひき寄せられ、
私はそこへ近づこうとする。
よく目を凝らすと、小さな生き物たちも群れている。
私もその一匹だ。
 
偶然に決められたその場所に根を下ろし、
草花は、芽ばえ、咲き、実を結び、
やがて枯れて、新たな種を残す。
その場所に満ちているのは、
いのちの循環をまわそうとする意思としての生命力だ。
 
たとえ人の「社会」が弱ろうとも、
「世界」に生気は満ちている。
私は、社会と世界とを往き還る。
あの小さき蜂のように。
              
                


 
2020年9月 鷲尾和彦
 

写真集『Station』行記念トーク@誠光社(京都)

 

 
『移動すること、待つこと ——移民・難民をめぐる「長い話」』
写真集『Station』(夕書房)刊行記念トーク

会場:誠光社(京都)
日程:9月1日(火)19時〜20時半(終了予定)
配信チケット(別リンクが開きます)
 

Photo exhibition『Station』~ Moving photographies

 
■Roonee 247 Fine Arts (東京)
会 期: 2020年7月28日(火)〜8月30日(日)
   12:00-19:00 (最終日 16:00 まで) 月曜休廊、8/11~16は夏季休業 
会 場: Roonee 247 Fine Arts
   東京都中央区日本橋小伝馬町 17-9 さとうビルB館4F T/F 03-6661-2276
 
■誠光社(京都)
会 期: 2020年9月1日(火)〜9月15日(水)
   10:00-20:00 (最終日は 18:00 まで)
会 場: 誠光社
   京都府上京区中町通丸太町上ル俵屋町437 T/F 075-708-8340
 
■blackbird books(大阪)
会 期: 2020年9月17日(木)〜10月4日(日)
   10:00-19:00、月曜定休
会 場: blackbird books
   大阪府豊中市寺内 2-12-1 緑地ハッピーハイツ1F T/F 06-7173-9286
 
■SUNNY BOY BOOKS(東京)
会 期: 10月24日(土)〜11月4日(水)
    12:00-20:00 / 金曜定休
会 場: SUNNY BOY BOOKS
   〒152-0004 東京都目黒区鷹番2-14-15 
 
■千年一日珈琲焙煎所(つくば)
会 期: 11月12日(木)〜11月29日(土)
    12:00-20:00 / 金曜定休
会 場: 千年一日珈琲焙煎所
   〒305-0005 茨城県つくば市天久保3-21-3 星谷ビル 
 
(※会場は順次追加予定)
 
写真はいつでも境界線上にあります。目の前の風景とその向こう側、あるいは日々を送る場所と未だ足を踏み入れていない未知なる世界との境に。写真を見ることは、そうした境界線を通過する体験でもあります。『Station』の人々が駅から駅へと移動したように、写真と写真の中の人たちが全国の街の本屋さんやギャラリーなど人々が行き交う小さな「駅」に停まりながら、どこまでも移動していく——そんな連続写真展を開催します。お近くの「駅」に写真がやってきたら、ぜひ足を運んでみてください。移動をつづける写真の向こうに、何かを感じていただけたら幸いです。 (鷲尾和彦)
 

new book “Station”


 

 

 

 

 

 

 

 

 
Publisher 夕書房(Seki Shobo)
 

Border land(2017)

やがて写真集「Station」となる写真をウイーン西駅で撮ってから2年後、ハンガリーとセルビアの国境の町を訪ねた。バルカンルート・ゲート跡まで汗だくでレンタル自転車を漕いだ。彼らが歩いた跡、その人々を迎える側の人々が暮らす農村風景。そのどちらもこの目で見ておきたかった。僅かな時間しか滞在出来なかった、散々探して借りた自転車はサドルが壊れていたし、国境は遠かった。最後まで近づけなかった。農村風景は決して豊かだとは素直に思えなかった。でも美しかった。日に焼き尽くされた向日葵畑が延々続いていく中で、背丈の低い若いその一本だけが太陽を睨んで立っていた。
今日は世界難民の日。
 
Two years after I took the photographs for my book “Station” in Vienna, I visited the border town between Hungary and Serbia.
Sweating profusely, I have peddled an almost broken rented bicycle to the ruins of a gate on the Balkan route
I wanted to see where they walked passing through the gate, and the rural landscape where the people on the other side.
I wanted to see both.
I could only stay for a short time.The bike I borrowed after looking for a while had a broken saddle.The border is far away and I could not get close.I felt the rural landscape was not so rich. But it was very beautiful. The sun-burned sunflower fields stretched on and on, and only a short, young one stared at the sun and stood alone.
Today is The World Refugee Day.
 

 

Making of a Photography book “Station”


 
4日間に渡る写真集の印刷が始まりました。今日はその初日。東京印書館のプリンティングディレクター高柳昇さんをはじめ皆さんのチームワークが本当に素晴らしく。言葉になりきれない思いをしっかり汲んで頂き、まるで一緒に歩いているように感じました。こういう感覚、久しぶりです。写真家の意図を丁寧に読み取っていただきました。そして、最終的にはこうした不安を乗り越え、予想を超えたクオリティへと達することが出来たと確信しています。普段とは異なり、感染症リスクを防ぐために印刷機の前にまでは行けませんでしたが、窓越しからオペレーターの皆さんへ深く感謝の念を送りました。
 
初日終了後は、念願の「原爆の図 丸木美術館」へ。車でわずか数分のところにその美術館はありました。ちょうど今週から再開されていて開館時間が短縮されているにも関わらず受け入れて頂き恐縮しました。丸木夫妻による「その絵」はもちろん、お二人の長い制作の軌跡に圧倒されました。そして、砂守勝巳さんの写真展も本当に素晴らしかった。編集者の高松さんと二人きりで、これらの作品をゆっくり観れるなんて、なんという幸運。学芸員の岡村さんとお話しすると、以前、僕の展示も見ていただいていたとおっしゃって頂き感激しました。
 
久しぶりの長距離ドライブだったけれど、突然の大雨にも濡れたけれど、やっぱり人に会うこと、人の手仕事に出会えることは、なによりも嬉しいことだと痛感した一日でした。そして、こうして時間をともにできる人たちに出会うことは奇跡的なことなんだと痛感しています。本当にみなさん有難うございます。
 
もうすぐ、写真集はできる予定です。予約期間は本日まで。アマゾンでも予約可能ですが、小さな出版社さんですので、できれば直接出版社のウェブにアクセス頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
写真集『Station』(夕書房)予約ページ(別ウインドウが開きます)
 
 

 
 

写真集『Station』へのメッセージ

大竹昭子さん/文筆家
駅というのは不思議な空間だ。ひとつところから別のところに移動するために人が集まり、来るものを待つ。さっきまで一分一秒を惜しみながら仕事をしていても、駅にたどりつけば待つしかなく、すべての人が等しく宙吊りになる。この写真集で出会うのは、その宙吊り状態が極限に達している人々である。どこに行くのか、なにをして生きていくのか、家族がちりぢりにならずに暮らせるのか、湧き上がってくる問いのどれにも答えがない。
コロナ禍にあるいま、これらの写真は以前とはまったく違って見えてくる。答えのある生きかたに慣れすぎて、それを奪われた状態を経験したことのない自分たちのいまを重ねて見ずにはいられないのだ。たしかに彼らは究極の宙吊り状態にあるが、もしかしたら人間は本来こうやって生きてきたのではないか。そんな声がどこかからひっそりと流れてくるようだ。
 
栢木清吾さん/移民研究者・翻訳者
ここには現代の「難民」の生を特徴づける決定的な経験が活写されている。
待つ、いや待たされる、という経験である。
彼・彼女たちは、ずっと待つことを強いられているのだ。
列車の出発を、国境が開くのを、警察の尋問が終わるのを、収容所からの外出許可を、庇護申請の結果を、再び故郷に戻れる機会が訪れるのを、そして何より、地球上の一部の人びとがはるか以前から享受している富と平穏が自分たちにも分け与えられる日を。
多くの人びとが閉じられた空間で「日常」の再開を待ち望んでいる今日、この写真集がきっかけとなり、その「非日常」をずっと「日常」として生きさせられてきた人びとへの関心が高まることを期待してやまない。
 
園田 涼さん/ピアニスト
「音楽にとって大事なことは音楽以外のすべてだ」という著名なピアニストの言葉がある。
鷲尾さんの写真を見ながら、なぜか僕はこの言葉を思い出していた。
僕の眼にとても音楽的に映る写真たち。会ったこともない、そしてこれからも会うことはないであろう人々の眼の奥に、僕は音楽を感じる。ハーモニー、ビート、メロディ、そしてまたビート….。
 
サヘル・ローズさん/俳優・タレント
小さな身体で大きな荷物を背負い、家族の悲しみを受け止めている。
彼等の名前は、「難民」ではない。
素晴らしい生命に溢れた「ひと」です。
彼等の居場所を奪ったのは誰?
強く向けられた瞳に中に宿る哀しみの刃
「アナタの瞳をそうさせたのはダレ?」
写真の中で彼等は生きてる。
息をして私たちを見ている。
ね、どうか目をそらさずに、彼等の瞳に隠された言葉を抱きしめてあげて。
「難民になりたい人など、いないよ」
 
宗田勝也さん/難民ナウ!代表
コンビニで。スーパーで。わたし自身が食にありつくためには、レジを打つ人が必要だ。
その人たちが危険に晒される可能性があることを承知しつつ、わたしは折り合いをつけている。その事実に打ちひしがれる。
目の前の命の危機に「仕方がない」と言えてしまう自分は、遠く離れた国の、見知らぬ駅を行き交う人たちにどのような言葉を用意できるだろう。いま、本書の問いかけは重く、容易でなく、そしてかけがえがない。
 
Anand Bhatt (Producer, Aakash Odedra Company)
『Station』は、移民史における重要な瞬間を捉えている。私たちはいつだって、レンズを通して歴史を目撃する。鷲尾さんはオーストリアにおける歴史的瞬間に居合わせ、そこに渦巻く苦難と中東の巨大なうねりから逃れようとする人々の直感をじかに記録した。モノクロームの写真は、彼ら一人ひとりの心に潜む恐怖を際立たせている。駅とは、どこか別の土地へと向かう人々の交差する場所だ。ここに写る移民たちにとって、ふるさとはもはや安住の地ではない。安全でいるために故郷を捨てざるを得なかった彼らは、よりよい土地を求めて移動しており、希望の旅の途上なのだ。鷲尾さんの写真は私たちに、世界がかくも変わってしまったことを静かに訴えかけている。
 
 
写真集『Station』(夕書房)予約サイト(別ウインドウが開きます)
 

写真集『Station』(夕書房)刊行のご案内

みなさま。このたび、新しい写真集『Station』を刊行することとなりました。 下記の刊行案内サイトで予約が始まりました。
どうぞよろしくお願いいたします。

鷲尾和彦 写真集『Station』
寄稿:梨木香歩
デザイン:須山悠里
刊行:夕書房
予価:3,600円(税抜)
88頁/A4変形・上製・栞挟み込み
ダブルトーン+カラー/日英バイリンガル
ISBN 978-4-909179-05-0 C0072
6月下旬より配本予定
写真集『Station』特設ページ(夕書房)にて現在予約受付中

上記の特設ページには、作品を一部ご覧いただけるスライドショーを用意しています。
また、大竹昭子さん(文筆家)、園田涼さん(ピアニスト)、栢木清吾さん(移民研究者・翻訳者)、サヘル・ローズさん(俳優・タレント)をはじめとする方々から、この写真に対して貴重なお言葉も寄せていただきました。
さまざまな視点から、さまざまな人たちの言葉が重なり合うこと。「作品集」をつくるというよりも、そのような「場」をつくりたかった。ずっとそう思っていました。お言葉を寄せていただいた方々に心より感謝いたします。

本書のタイトル『Station』には、「人や物が集まる場所」「活動の拠点となる場所」の意もあります。
今回の写真集刊行においては、人と本が集まる、街の文化拠点(ステーション)としての「書店」を守る全国7つの独立系書店主さんからも写真集についてのコメントをいただいています。
出版社のウェブサイトからは各書店から直接予約していただけるリンクも用意いたしました。ひとつの写真集が出ることを通して、あらためて暮らしの中にある文化の場の存在について、その価値を見つめ直す機会になればと心から願っています。

写真集は、デザインを須山悠里さんが手がけて下さいました。また作家の梨木香歩さんが、エッセイを寄せてくださいました。また新型感染症の影響化にある社会状況の中でも、写真集刊行を決断いただいた夕書房の高松夕佳さんに、この場を借りて心より御礼申し上げます。
ぜひご覧ください。そしてよろしければ親しい方々とこの風景を共有していただけると幸いです。

鷲尾和彦 2020.5.16.

Dear Friends,
Hope you are well.
I will publish a new photography book “Station”.People who are transiting and waiting for their future. Hope you to visit special website for this publication.
Thank you so much, Please take care of yourself.

From Kazuhiko Washio

Fly like birds.

The margin becomes a playground

The “margin” becomes a playground.
The “margin” is a possibility.

So long


(a work from “Jupiter”)

a flower

2020年の、3月11日を迎えました。
写真を何度も見返しています。
 
Today, March 11, 2020.
9 years have passed since that day.
I look back my photos over and over again.
 

(Fukushi, 2015.3.11.)

Walking, 2020.02.

(zushi, Kanagawa, 2020.Feb)

update: Some from editorial works (- 2019)


 
Web gallery (Link) : Some from editorial works (- 2019)

a portrait of Irish poet, 2019.12.