鷲尾和彦

花巻

Hanamaki, Iwate. 2018.07.

遠野

Tohno, Iwate, Japan. 2018.6.30.

気仙沼

Kesennuma, Miyagi. 2018.06.

英国へ

1週間後ですが、英国バーミンガムのでアーティストトークと映像上映を行ってきます。
パフォーミング・アーティストのAAKASH ODEDRAさんの新作「#JeSuis」のワールドプレミア公演の関連イベントとしてご招待頂きました。僕が上映するのは、2015年9月にオーストリア・ウイーン西駅のプラットフォームで撮影した、シリア、アフガニスタンなどから欧州の中心部へ鉄道で移動する人々の姿です。「ウェルカム・ヨーロッパ」というメッセージがプラットフォーム上にいくつも貼り出され、ウイーン大学の学生達やレッドクロスのスタッフが、次から次へと押し寄せる東から移動してきた人々を受け入れていたあの時、ものすごい数の人の波に偶然巻き込まれながら(僕は逆に西から東へと帰る途中でした)、そのまま数時間プラットフォーム上で、来る人来る人に話しかけながら写真を撮影していました。

その時一人の金髪の青年が僕に向かって「水ある?大丈夫?」と声をかけてくれましたが、僕はとっさに「ありがとう」としか言えませんでした。束の間一緒にプラットフォームで遊んだ名も知らぬ少女が、待ちわびたドイツに向かう列車に乗り込んだ瞬間、そして車窓の向こう側から手を振ってくれた彼女の泣いているような微笑んでいるような表情。たくさんの人と話しているうちに、なんだかここがどこの国で相手が誰なのかどんどん分からなくなってしまった感覚。
2年経った今もまだうまく整理がついていない部分も多いですし、こうして書いていても、いや違うなという気になってきてしまう。まるで抜けない小さな骨が胸に刺さったままのような感じです。2015年の秋と現在では欧州も状況が大きく変わりました。少なくとも今駅には「ウェルカム・ヨーロッパ」という張り紙はありません。

2015年のその経験から、ちょうど1年後の2016年秋、同じくオーストリアの元難民キャンプ跡地を使ったアートイベントでプリントの展示させていただく機会を頂きました。その時の展示を見たのがAAKASHのチームのプロデューサーの方で、今回英国にご招待いただくこととなりました。バーミンガムでは、移動する人たちの様子をプリントではなく、動き続けるイメージに、スライドショーにしたいと思っています。

今回の英国行きには、7歳になる娘を連れて行こうと思います。生まれて初めて1週間も母親のもとを離れるということで、彼女はとても緊張しています。でも見知らぬ国に行くことにちょっと期待もあるようです。あの時、車窓から手を振ってくれた少女もきっとそうだったんじゃないかなと思うのです。英国でのスピーチは、娘の様子を見ながら、本番直前に考えようと思っています。

“SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY” 


 
“SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY”
Exhibition “SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY”
Date: 2018.1.2 -1.8.
Place: Shibuya HIKARIE 8/CUBE

Gentrification

venezia

 

9月に訪問したヴェネツィア・ビエンナーレのレポートを書いていて、自分で撮ったこの写真を見返してました。狭い路地と、その路地を抜けた先に突然現れる広場の魅力。これはこの街の魅力だと思うのですが、先日4年ぶりに訪問した際、意外とその路地が閑散としていた印象がどこか心に引っかかっていました。で、いろいろと調べたらこんな記事が。これは2015年までのインフォグラフィックス。かなり地元住民がヴェネツィア本島に住めなくなっています。ヴェネツィアへの年間観光客は約2000万人。ヴェネツィア本島の住民の数と比べると確かに凄い人数です。ちなみに日本への観光客が同じく2000万人程度だったと思います。観光業へのデモも最近は起きているようで。「ジェントリフィケーション」という言葉がここで使えるかどうかわかりませんが、気になるテーマです。同じく、路地と広場が魅力の街、バルセロナでも同じような課題があるようです。

「ジェントリフィケーション」とは比較的貧困層が多く住む地区、それゆえ低開発で停滞した地区に富裕層が移り住むことによって資産価値の高騰したり、低所得層の生活が圧迫されたり、立ち退き問題が発生したり、地域文化が損なわれたりする現象というか社会問題です。移り住んだ高所得者によって低資産価値の還元が行われてしまってもともと住んでいた人が住めなくなる。つながりが消え、一人一人が精神的な孤立感を抱えてしまい、結果的に地域コミュニティまでが壊れていく。
ロンドンオリンピックもレガシーばかり語られ、低開発地区がアートや文化の力で再生されたという話も聞くけど、最初はアーティストに自由な空間を与えて地域の活性化をしようとしたけど、結局地上げされてアーティストたちは出汁のように使われて住めなくなってしまった。僕がロンドンを歩いて現地のアーティストたちに聞いたのはそんな話でした。それも一部の意見かもしれないけど。地域住民を中心にして、その生活環境が改善されることを第一義において、そして必要以上の地価の高騰を抑えて、行政や民間期間が協力しながら、暮らしの質を上げていくことはどのようにして可能なのか。

ちなみに、この写真のような風景がヴェネツィアではあちこちで見られるように思いますが、実は数日間滞在した中ではこの場所だけでした。それは全くの偶然かもしれませんが、印象としては広場があまり広場らしくないなあという感じ。日本は現在2000万人を数年後には4000万人、6000万人規模へ拡大させるという戦略を描いていますね。もちろん、ゼロイチの身も蓋もない議論なんかではなく、もちろん全てがアートフェスのせいなんかでもなく。丁寧に考えていくことが大切なテーマなんだと思います。

Transit: Balkan route 2017

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szeged, 2017
EPSON scanner image
szeged, 2017

szeged, 2017

szeged, 2017

(the borderline between Hungary and Serbia. 2017)

Shibuya Snapshot (July. 2017.)

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(Shibuya, Tokyo. 2017)
“Canon Photo Circle” magazine (July 2017) published by Canon inc.

Photos for the website of Kiyoharu Art Colony.

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Photos for the website of Kiyoharu Art Colony.
(photo shooting, April 2017)

“Seize the Uncertain Day” at Chinretsukan Gallery, The University Museum, Tokyo University of the Arts : Exhibition View

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The Exhibition “Seize the Uncertain Day” Curated by GA Students
Venue: Chinretsukan Gallery, The University Museum, Tokyo University of the Arts
Date: Sat. March 18, 2017 – Wed. April 5, 2017
Organizer: Department of Arts Studies and Curatorial Practices, Graduate School of Global Arts, Tokyo University of the Arts
Artists: Nobuyoshi Araki, Osamu Kanemura, Rinko Kawauchi, Yoi Kawakubo, Miyuki Kido, Haruka Komori+Natsumi Seo,Taro Shinoda, Sayaka Shimada, Takuma Nakahira, Asako Narahashi, Takanobu Hayashi, Tsuyoshi Hisakado, Takeshi Hyakuto, Daido Moriyama, Tomoko Yoneda, Mayuko Yuge, Kazuhiko Washio