2010.03.31 (Wed)  骸骨特急

骨が軋み、髑髏が笑っていた。
骸骨特急は駆け抜けて行った。
人はここまで飛べるのだ。
ボブ・ディラン、来日公演。
圧倒的な、これがロックミュージック。



2010.03.22 (Mon)  インタビュー記事、後日談。

アサヒカメラの最新号にインタビュー記事が掲載されています。
関心を持って頂き本当にありがたい。心より感謝いたします。ずいぶん長くお話したけれど、こういう風な内容になるんだなあと思うと、なんだか不思議な感覚がする。
記事の中で最後に「最も影響を受けた写真家はロバート・フランク」と書かれていたけど、その点に関しては事実とは違う。まあ事実と違っていても、別にかまわないのだけど。
確かに写真を撮り始めて間のない頃(というよりも、初めてのカメラを買って間がない頃)、偶然NYCで彼に会ったのは確かで、「お前は何をやっている人間だ」と尋ねられ、とっさに「写真を撮ってます」と言ってしまったことが、自らにかけた呪文(あるいは呪い?)になってしまい、自分の写真を撮りはじめるきっかけになった。
音楽をずっとやっていた僕が、初めて写真展に行ったのは、10代に結成してずっと続けてきたロックバンドが解散するかしないかという時期、当時知り合った写真家の人に連れて行ってもらった横浜美術館でのカルティエ・ブレッソン展だった。しかし、その時の僕の印象は「なんて写真て退屈なんだろう」だった。今思うと畏れ多い話なのだけど、でも正直な感想。絵葉書のようにしか思えなかった。音楽のほうがエモーショナルでフィジカルで全然かっこいいと思った。
そのしばらく後、NYCで行われたロバート・フランクの写真展を見たとき、正直ものすごく驚いた。何に驚いたかというと、写真から音楽が流れてきたように感じられたからだった。確かに写真が動き、フローティングしていた。そしてその会場で、ロバート・フランク本人に僕は会った。その後、僕はロックバンドの活動を止め、写真を撮るようになった。「最も影響を受けた写真家はロバート・フランク」というのは間違いだけど、写真を撮るきっかけを与えてくれたのは、彼との偶然の出会いであったのは確かだ。ちなみに、もしも僕が影響を受けたアーティストがいるとすれば、それは写真家よりも、むしろ音楽家や映画作家たちのような気がする。

 



2010.03.19 (Fri)  コトバ

今日は、InterFMの番組『GreenLife』に生出演。 環境をテーマにした番組だったので、写真集のことのほかにも、このウェブサイトの【dialogue】にも掲載しているセヴァン・カリス=スズキやジャック・ジョンソンの話についても少し話をした。
最近、いくつかのラジオ番組にゲスト出演することが続いていたのだが、僕がいつも話をするときに頭の中にあるのは、佐野元春さんの存在。以前、佐野さんにインタヴューをさせていただいたときに、佐野さんの誠実で丁寧な話に、ものすごく感銘を受けたことが忘れられない。実際、佐野さんの話は、テープお越しがそのまま原稿になってしまうほど。そんなことは普通なかなかありえないと思う。表現手段としてコトバを使うというのはこういうことなのか、と心底驚いた。人前で話をするとき、僕はいつもそのことがどこかで頭の中にあるような気がする。出来る限り誠実に、出来る限り丁寧に。大切にコトバを活かしたいと思う。

さて、昨夜は、その佐野元春さんの30周年記念のライブ&パーティーに行ってきた。小学生の頃から聴いてきた音楽。多くのファンと同様、僕も佐野さんのラジオを通して音楽の魅力を知った人間の一人だ。昨夜はバンドのギターリストが、長田進さんだったので物凄く驚き、そして嬉しかった。(テレキャスターカスタムBlackは、ああやって無愛想にクールに弾くものなのだ)
アフターパーティーで、佐野さんとお話したら、「この前、あるギャラリーに行ったら、鷲尾君の写真集がリコメンドされていて、とても嬉しかったよ。お互い楽しみながら創作活動を続けて行こうね」とおしゃっていただいた。心から感謝。本当に沢山のことを今も変わらず学んでいると思う。
30周年、本当におめでとうございます! いつも有難うございます!



2010.03.15 (Mon)  travelogue #31 "Waiting for the light"


("Waiting for the light" 2010.03.)



2010.03.12 (Fri)  緊急のお願い

何故だかこの2週間くらいの間のメールがすっぽりと消えてしまってます。何件か、写真集の件等でご連絡を頂いていたのは確認していますが、返信をお出しすることが出来ずに困っています。お心当たりの方、大変恐縮ですがご再送お願いできますか。宜しくお願いいたします。



2010.03.01 (Mon)  親父の手紙

今朝がた、ニューメキシコに滞在中のダニー・ライアンからメールが届いた。
年末に写真集をすぐに彼のニューヨーク州にある住所まで送っていたのだけど、やっと転送されて届いたようだ。

「You have come such a long long way since those first pictures of children you showed to me. This is a terrific collection of portraits. Congratulations. You deserve it. It is clear that you are accepted by these travelers, and that there is clearly a universal world that you occupy with them.」

そうダニーのメールには記してあった。

僕は彼が教えてくれたコトバを忘れたことはない。いつも写真を撮るとき、そのコトバは僕とともにあった。彼の存在と写真は、いつも世界の多様性をうけとめる公正さ、愛情に満ちている。そしてやんちゃな少年のような、色あせない輝きとともに。全くの独学で写真をやってきた僕にとって、彼から直接聞いたコトバと、何より彼の存在そのものが、唯一の「手掛かり」だった。
例えマンハッタンのような大都会の中にいても、彼が歩くだけでそこは砂埃が舞い上がる荒れ地のように見えてくる。ぶっきらぼうに語る彼のコトバのひとつひとつを僕は静かに思い起こす。そのコトバを思い起こす時、彼と並んで歩き、彼が運転するクルマの助手席に座り、一緒に月夜に照らされた路の上を走った時へと、僕はいつでも帰って行くことが出来る。コトバはそうして何度でも何度でも生き返ってくる。
またいつか会うその時まで、僕は彼からの新しい旅の報告を待っていようと思う。
 
 



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