2006.06.29 (Thu)  FMラジオ番組収録

今日はTOKYO FMでラジオ番組の収録でした。
番組タイトルは『Maximレディオ・ソファ』。来月の写真展のことを中心に、パーソナリティの坂上みきさんとお話をしました。
僕は小学生の頃からFMラジオの大ファンで、大学生の時もFMラジオの制作会社でアルバイトをしていました。そのままラジオ番組の制作者になりたかったくらいです。特に当時、NHK FMの『サウンドストリート』が大好きで、DJの佐野元春さんのトークと彼が紹介してくれるポップミュージック、ロックミュージックに相当な影響を受けて育ちました。佐野さんのトーク(というか彼の姿勢)は音楽に対する深い愛情を感じさせるものでした。そして発する「言葉」に対する意識の高さを感じさせてくれるものでした。勿論、幼い僕にはそんな明快なことは判っていなかったはずですが、どこかで直感的に彼の言葉に「誠実さ」を感じていた気がします。一言一言が確かなものである(=確かなものしか言葉にしない)ということを知らず知らずの間に僕は学んだような気がしています。(時にそういう言葉は、都合や建前に軸足を置いた人々の会話の中では孤立する場合もあるわけですが、相手に対するコンパッションさえあれば、一気に強い力を持ちえるのだ、ということを、僕は実際に大人になって佐野さんにお会いしてお話したことで学びました。)
そんなことまで含めて、僕はFMラジオというメディアのファンになったのだと思います。

とてもスマートな坂上さんに対して、ボソボソと慣れない口調。僕なりに誠意を持ってお話してはみたものの、果たして実際の番組内容がどうなっていることやら。

TOKYO FM『Maximレディオ・ソファ』、オンエアはちょうど写真展が始まる7月10日(月)から14日(木)までの毎日15時25分~です。もしもその時間、覚えている方がいらっしゃったらぜひTFMを聴いて頂ければと思います。

PS.
番組収録からの帰り際、地下鉄半蔵門駅近くの書店にて。もちろん、第2巻も読ませていただきました。



2006.06.26 (Mon)  プリント作業、明月院の紫陽花

ようやく写真展用の作品セレクトが終わり、現在はプリント作業中。普段より少し大きめのプリントサイズとしたためか、会場構成に照らしあわすと、隙間なくぴっちりと作品が並ぶという展示になりそうだ。過去に写真展に来ていただいた方には、必ずDMをお出しているのだが、最近はEメールがあるので(芳名帳に住所ではなくEメールアドレスを残していく方も結構いらっしゃる)、少しDMを書き綴る時間が短くなった。それでも相当数の方にご案内を差し上げることとなるので、申し訳ないとは思いつつEメールは、いわゆる[BCCメール]にさせていただいている。 早速ご返事を頂戴した方々、感謝いたします。

この土曜日は、梅雨の合間の晴天だった。少し睡眠不足が続いていたのだが、朝早くおきて、観光客が押し寄せる前に、北鎌倉の紫陽花寺・明月院までバイクを飛ばして出掛けた。
精気を養う、とはこのこと。



2006.06.16 (Fri)  写真展準備

7月10日からの個展に向けて、展示作品を絞り込んでいる。
写真展のテーマ、会場設計やその規模等を考慮してあれこれ検討した結果、最終的には40点程度の展示となる予定。
今回は、「フォトドキュメンタリーNIPPON」というガーディアンガーデンが主催する写真プロジェクトの一貫として行う写真展。 詳しくは【news】に書いたのでぜひご覧下さい。どうぞよろしく。




2006.06.09 (Fri)  言葉の後の沈黙

ガーディアン・ガーデン主催『フォトドキュメンタリーNIPPON』の一環で、このプロジェクトの審査委員である写真研究家の鳥原学さんからインタヴューを受けた。大量の情報や記号が溢れる中で、それでも写真を撮るというのは、どういうことなのか。ドキュメンタリーとはどのような行為なのか。そんなことを鳥原さんとお話した。
僕はそもそも写真を始めたのが20代後半からと遅く、しかも全くの独学でやってきたので、実は誰かとじっくり写真について語り合うという経験は殆どない。不思議な話だが、夕方から終電間際までずっと写真のことを話すという体験自体、とても新鮮で楽しかった。
話の中で、「何故寄りの写真が多いのか」、「何故人物の背景情報が少ないのか」ということも聞かれたのだが、それは次のような理由のためだ。

「何故寄りの写真が多いのか」
単純に3畳程度の狭い室内の中で、標準レンズで撮るとこうなるということ。
広角も含めて最初は幾つかのレンズを使ったのだが、どれも作為が先に立ってしまった。というか、もっと言えば、この距離感が一番しっくり来るという、どちらかというと感覚的な理由だと思う。

「何故人物の背景情報が少ないのか」
背景情報、つまりここが日本であり、山谷の簡易宿であるという情報が何故少ないのか。狙って外しているのか、という質問。
実は沢山そういう写真も撮っているし、狭い宿の中、そういう写真は自然に撮れてしまう。しかし、写真を選ぶ際に、結果としてより人物そのものを写した写真が残った、ということでしかない。1年余りこのテーマの写真を撮り続けているが、次第に僕は分かりやすい「差異」や「記号性」ではなく、その人そのものを撮ることに関心が及んでいった。差異化の果てにあるもの、それがテーマになっていった。そして、そこに言葉や記号だけでは表現できない、写真だけが写し撮ることが出来る何かがあるのではないか、今はそう思う。「情報伝達力の高いことで価値がある写真」もあるとは思うが、僕自身、ここではあまりそのアプローチには関心がない。

この様子は、7月10日(月)から始まる、銀座GGでの写真展にあわせてウェブで公開される予定です。

その翌日、ブレッソンのドキュメンタリー映画『瞬間の記憶』を観たのだが、その中で女優のイザベル・ユペールが「彼は言葉の後の沈黙を聴いている」と、ブレッソンのことについて語っている言葉がとても印象に残った。
ドキュメンタリーとはそういうことだろうと僕も彼女の言葉には共感する。
こんな粋な言葉は浮かばなかったけれど。

無造作に写真を掴むブレッソンの素手。ヨーゼフ・クーデルカが少年のように振舞っている姿が観れてなんだか嬉しくなった。写真はやっぱりいいな。みんな写真撮ればいいんだ。


鷲尾和彦 写真展 『極東ホテル』 
日時: 7月10日(月)~16日(土) 12:00PM~7:00PM
会場: 銀座ガーディアン・ガーデン




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